フルート&ギターデュオ「chotto」コンサートの曲紹介

10/25(日)

フルート&ギターデュオ「chotto」コンサート

があります。

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今日は、当日演奏を予定している曲の、ちょっとした曲目解説をしたいと思います。

フルートの中田由紀乃さんとはかれこれ5年以上はデュオ活動をしてますが、
考えてみたらフルコンサートは今回は初なんですね。
月日が経つのは早いものです・・

では、一部からいってみましょう!

一部は各々のソロになってます。
無伴奏のフルート曲はあまり聴く機会多くないかもしれませんが、良い曲も沢山ありますよ。
 

・ソナタイ短調 (C.P.E.Bach)

C.P.E.Bachはあのバッハのご子息でして、これまた素晴らしい音楽家です。
時代的にはバロック後期から古典前期といった感じで、
名著「正しいクラヴィーア奏法」はモーツァルトやベートーベンをはじめ、多くの音楽家に影響を与えた当時のバイブル的教本です。

・タンゴエチュード第3番 (ピアソラ)

ピアソラは南米アルゼンチンの作曲家、バンドネオン奏者です。
日本ではヨーヨー・マが演奏したリベルタンゴが有名でしょうか。
タンゴをベースにクラシック、現代音楽、ジャズなどを融合させた独自のスタイルで人気です。
3番はノリの良いピアソラらしい曲で、このエチュードの中でも特に人気のある曲ですね。

・6つのアイルランド民謡から (ジュリアーニ)

私のギターソロの方は、とりあえずジュリアーニのなんかを弾こうと思い色々迷ったのですが、
最終的にはちょっとマニアックなアイルランド民謡集から2曲選びました。
ジュリアーニはベートーベンなどと同時代のギタリストで、当時の音楽の中心地であるウィーンでも活躍しました。
セゴビア以前で最もクラシック界で成功したギタリストといってもいいかもしれませんね。
あまり知られていない曲ですが、アイルランド民謡と古典アレンジが意外にも(?)マッチした隠れた名作だと思います。

・澄み切った空  (シネーシ)

キケ・シネーシは南米アルゼンチンのジャズ、フュージョン系のギタリストです。
カンドンベというリズムを使った曲で、原曲は7弦ギターで演奏されています。
ビリャダンゴスという同じアルゼンチンのクラシックギタリストの編曲が有名ですが、
原曲はかなりアドリブ的なところがあります。
私も、弾いているうちにだんだん変わってきているところがあるかも。

賛助演奏 熊坂&谷島
・一夢人 (長岡 克己) 

イタリア在住のギタリスト長岡 克己さんのギターデュオ曲です。
色々な要素がコンパクトにまとめられた聴きやすい曲です。

二部のデュオは、これまで演奏していたレパートリーから選曲しました。

・二つのカンドンベ(プホール)

プホールもアルゼンチンのクラシックギタリストです。
「澄み切った空」と同じくカンドンベのリズムを使った曲です。
同じリズムを使った、違うジャンルの違うギタリストの曲となってますので、
聴き比べたりしてみても面白いかも。

・タンゴの歴史(ピアソラ)から 
 Night Club

エチュード第3番と似たモチーフの曲です。
作曲家はお気に入りのモティーフを色々な曲で使ったりしますが、同じモティーフがどのように変わるかも聴きどころかもしれませんね。

・中世風組曲(ドゥミャ) 
1.Sicilienne
2.Sonnerie
3.Apres une page de Ronsard
4.Ronde

フランスの作曲家ドゥミャの短い組曲です。
タイトルの通り、中世風の組曲形式におフランス風味を足した感じ。
フルート&ギターのレパートリーの中ではファーストチョイスされる機会が少ないですが、
やはり隠れた名曲かなと思います。

・タンブーラン(ゴセック)

ゴセックといったら、あの曲ですよね!
そう、誰もが一度は聴いたことがありそうな、あの曲です!
あの曲が何なのかは当日コンサートで!

・グランドソナタ(ジュリアーニ)から
 1楽章
 4楽章

ジュリアーニは、当時の名演奏家たちと共演、共作をしており、こちらもそのシリーズの一つかな。
フルートもテクニカルで、古典らしい華麗な曲となっております。

さて、こんな感じですが、いかがでしょうか?
後半のデュオは、南米ものからクラシックの流れで、組曲やソナタからいいとこどりした形です。
全曲聴くのはちとツライという方にもピッタリです。
いずれも長く弾いているものですので、企画ものではない常設デュオならではの演奏を目指したいと思います。

本格的な内容を軽く聴けるよう工夫してみたつもりですので、ぜひ軽い気持ちでいらしてくださいね!