CDコンサートでバリオスとリョベートの自演を聴いてきた

4月8日(日)水戸の中村ギター教室で、バリオスとリョベートの自演を交えたCDコンサートがありました。

内容は自演と現代のギタリストによる演奏を聴き比べて、作曲者本人のアプローチの違いや、当時との演奏スタイルの違いを見ていくというもので、とても興味深く勉強になりました。

バリオス

バリオスは南米のギタリストで、その作曲スタイルはロマン派の和声を基本に、南米的な曲とクラシカルな曲を作りました。
作品の内容は、良くも悪くも南米のギタリストといった感じで、それはクラシカルな作品にも影響しています。
当時のロマン派後期や印象派寄りの作曲スタイルをとらなかったことから、あくまでもギタリストとして、タレガなどのスペインロマン派ギタリストからの流れでオリジナルを作ったものと思われます。
演奏スタイルも基本的にはロマン派の流れを汲んでいるものの、作品同様正統派というよりはかなりクセのある感じです。
が、おそらく本格的なクラシック曲を目指して作曲されていますので、自演は参考程度にして今のギタリストのように普通にロマン派物としてアプローチして良いと思います。

そんな中、バロック風に作曲した大聖堂あたりを、自演のようにロマン派的アプローチをするかバロック的なアプローチをするかは分かれるところでしょう。
演奏家の時代を考慮すると前者で、作品の様式を考慮すると後者ということになりますか。

リョベート

一方、リョベートの方は、今の感覚からいくとやりすぎな感じですが、ロマン派後期のクラシック界の演奏スタイルを考えると正統派なクラシック奏者といっていいでしょう。
今回のCDコンサートでもバッハのサラバンドを聴きましたが、しっかりとその当時の流行りに乗ったやりすぎロマンチックバッハなのが印象的でした。

こういったロマン派後期の演奏スタイルはセゴヴィアへと受け継がれていくのですが、セゴヴィアの影響が強すぎたため他の楽器よりもこうしたスタイルが後々まで残ってしまったのかもしれません。

作品の方はバリオスに比べる少ないですが、やはりロマン派の和声を基本に、演奏効果の高いギター的な作品を残しました。(ギタリストだから当たり前か?)
作風はバリオスと比べるとよりエレガントな感じですが、それだけにオリジナル作品はバリオスよりも演奏される機会は少ないです。
こちらもソルの主題による変奏曲みたいな古典ベースのものをどうするかというところですが…(おそらく本人はバッハと同じく揺らしまくりでしょう)ま、お好きな方で(ノ^^)ノ