楽器をやる時とかの「変なクセ」は直すべきか?

「変な癖がつかないように~」

前回の「正しい~」と一緒で、レッスンなんかでよく聞くフレーズですね。

「長年の癖を変えるのは大変ですから、最初から良いやり方を覚えましょうね~」

とか、

「変な癖がついていますので、まずはそれを直しましょう!」

なんて感じで使われます。

私自身も昔はちょこちょこ使っていたフレーズです。

また、レッスンを受けに行く方の中にはこれを目的としている方もけっこういらっしゃると思います。

たしかに、癖を変えるのは大変です。

というのも、癖というのは何もテクニックやメカニックに限ったことではなく、音楽的、または考え方の癖なんかもあり、さらに、それらは日常生活とも密接につながっているからです。

ある意味個性とも言えるものなので、その辺の明快な線引は難しいでしょう。

ではまず、変な癖がついていない良いやり方というのはなんでしょうか?

それは前回のブログと同様、オーソドックスなやり方のことです。

ナビに入れたら最初に出てくるような道のことです。

では、変な癖が付いているとなぜいけないのでしょう?

それは大きく分けて2つ。

演奏に支障がある
 ようは「それじゃ弾けないだろ」ってやつ。
 ・目的地に着くのに激しく時間がかかる
 ・てかそもそも目的地に着かない

体に支障がある
 腱鞘炎とか心配だよねっていうやつ。
 ・事故る

ということです。

さて、そこで先生ですが、

一般的な先生はナビのようにオーソドックスな道を教えてくれます。(時間優先、距離優先などの設定もだいたいは可能でしょう)

でも、はじめて行くところはナビ通り行くけど、慣れてきたら自分で新しい道を開拓する、なんてことありません?

「いや、ナビが提示したものが一番効率が良いのだからそれに従います!」

という方は、オーソドックスなやり方が合うかもしれませんが、

「近道を探すぜ!」
「一番信号が少ない道は・・」
「もっと通りが少ない道がいいな」

などなど、自分のこだわりに合った道を開拓するぞ!という方には合わない可能性があります。

そんなフロンティア・スピリッツの持ち主は、一般的な見方からすると、

 「えーそれじゃ時間かかるじゃん」とか
 
 「そんな危ない道、事故るよ」とか

思われてしまいがちです。

ところが実際は、

 「え~色々寄りたいし」とか言ってフラフラしながらも何故かちゃんと着いちゃったりとか、
 
 めっちゃ危険走行している人がゴールドだったり、
 
 「楽しければいいじゃ~ん」ってそもそも着かなくても満足なイタリア人タイプ(?)とか

なかなかナビ的な考えでは測れなかったりします。

そういう方にはオーソドックスな行き方は逆にまったくもって非効率なものになってしまうのです。

巨匠と言われる人たちを見てください。

なんかみんな個性的でしょ?

でも、あれがそれぞれ自分に一番良いやり方を探していった結果なのです。

そこまで極端ではなくても人間多かれ少なかれそのようなところがありますので、通常はオーソドックスなやり方から自分に合った形に微調整していくことが多いです。

でも、時には思い切って違う道を通ってみるのも面白いと思いますよ。

変なやり方すると変なクセとか付いちゃうんじゃ?

はっきり言って、そんなこと気にする必要ありません!

特にはじめの段階では色々試したり経験したりすることは重要ですので、後から自然に固まってくるものを無理に固めてしまうのもどうなのかな?と思います。

中には本当にナビのように同じ道に無限リルートしてくる先生もいるかもしれませんが、

大体の先生はいろんな道を知っていますので聞けば他の道も教えてくれるものです。(特殊な裏ワザを使わないと他の道を設定できない先生もいるかも?)

普通の道から外れるのはちょっと不安ですが、そのためのナビでもあります。

色々な道を通っているうちに、だんだんと自分のオーソドックスに落ち着いてきたりするものです。

結局最初の道が一番良かったね、なんてこともあると思いますが、

回り道は停滞ではありません。

人間必要な迷走というのもありますからね。

結局、回り道がお気に入りを見つける一番の近道ってことですね!